米軍、ベネズエラを攻撃。マドゥロ大統領を拘束。

“Maduro and his wife will soon face the full might of American justice and stand trial on American soil.”

いよいよやりましたね、トランプ大統領。米国の「裏庭」ともいえる中南米で、中国、ロシア、イランと反米戦線を形成していたベネズエラに対し新年早々の電光石火の攻撃、マドゥロ大統領を「逮捕」、米国へその日のうちに移送しました。

ここまでは皆さんもご存じの通り。

さて、冒頭はトランプ大統領の会見での投稿ですが、「吠えるトランプ」を地で行っていると思います。

“might”は、見せつける”力”

Xの投稿訳は・・・
「マドゥロとその妻は、間もなくアメリカの正義の全面的な力を受けることになり、アメリカの土壌で裁判にかけられるだろう。」

このちょっとこなれていない「正義の全面的な力」(the full might of American justice)。「正義の全面的な力」でなんだと思われる方も多いかと。もう少しこなれた訳を当てるのであれば、「米国司法(当局)の全面的な実力行使を目の当たりにするだろう」ということになるでしょうね。
若干、批判を込めて訳すのであれば、「米国の司法の・・・」ともなるかもしれません。

今回、取り上げたいのは、“might”です。語源を中世英語に辿ると、「肉体的な力、権力、支配、制御、能力」。近しいところの英単語として、”power”がありますが、その語源の意味は「能力;行動または実行する能力;特に戦闘における強さ、活力、力;効力;支配、習得、領主性、支配権または指揮権を持つ能力;法的権力または権限;承認;軍事力、軍隊」で、より広範な意味世界を持ち、抽象的な事象までとらえるのに対し、”might”は”マッチョ感”がありますよね。

今回アメリカ軍の行動は、精鋭部隊をピンポイントに投入、ターゲットを生け捕りにして連れ去る、まさにハリウッド映画にありそなストーリー、そのままです。

この”might”、会見シーンの随所に使われています。極めつけは、

“At my direction, the U.S. Armed Forces conducted an extraordinary military operation in the capital of Venezuela…This was one of the most stunning, effective, and powerful displays of American military might and competence in American history.””

(訳)
「私の指示のもと、米軍はベネズエラの首都で驚くべき軍事作戦を実施しました…これはアメリカ史上、アメリカの軍事力と能力を示す最も驚異的で効果的かつ強力な披露の一つでした。」

やはり“might”は、マッチョがポーズを決めるように「披露」、見せつけるものなんですね。

ビジネス英語でmightを「見せつける」としたら・・・

では、ビジネスシーンにありそうな、”might”を見せつけるシーン拾ってみましょうか。

【シーン1】
CEO: This competitor is moving faster than expected.

COO: Then we should respond with the full might of our organization—pricing, logistics, and marketing combined.

CEO: Agreed. Half measures won’t be enough this time.

【訳】
CEO: この競合他社は予想以上に動きが速い。

COO: ならば、価格戦略、物流、マーケティングを統合した組織全体の総力を挙げて対応すべきだ。

CEO: 同感だ。今回は中途半端な対策では不十分だろう。

この2人の経営者の切迫感、企業の存亡をかけた総力戦がイメージできます。

【シーン2】
Consultant: If the authorities get involved, they can apply the full might of the law.

Client: So this could escalate quickly?

Consultant: Exactly.

(訳)
コンサルタント:当局が介入すれば、法の全権限を行使できる。

クライアント:つまり事態は急速に悪化する可能性がある?

コンサルタント:その通り。

これも切迫感ありますね。「やっちまった、ヤバい、スルー出来ない?」「できないです!!!強制捜査もありえますよ!」のやりとりが目に浮かびます

【シーン3】
これは、プロジェクトが沈滞気味。そんなときにリーダーがジョークを発するシーン。

Leader: Don’t worry, if things go wrong, we’ll respond with the full might of coffee and late nights.

Members: (laughter)

(訳)
リーダー: 心配するな、もし何か問題が起きても、コーヒーと徹夜の全力をもって対応する。

メンバー:(笑い)

逆に、「これから徹夜も辞さないぞ!みんな覚悟しろよ!」と、体育会系のノリでもあります。

さて、この3日後の1月5日には、マドゥロ大統領に対する裁判が始まりました。

冒頭のX投稿で、マドゥロ大統領は “stand trial on American soil.(アメリカの土の上で裁判にかけられるだろう)”でしたが、この“on American soil”は、リアル感伝わる表現ですね。
“Soil”という響きが、いかにも寒空の下、後ろ手に紐でつながれ、裸足でしおらしく出頭してくるような雰囲気醸し出しています。
日本語に似た表現を探すならば、こちら「お白砂(しらす)の上で」でしょうか。

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